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2013/12/4

経済産業情報

独化粧品メーカーが中国撤退、動物実験の義務を受けて

この記事の要約

ドイツの自然化粧品メーカーLogocosが12月第1週に中国市場から全面撤退する。化粧品開発のための動物実験が欧州連合(EU)全域で全面禁止されたのに対し、中国では動物実験を実施しない製品が販売できないことが背景にある。 […]

ドイツの自然化粧品メーカーLogocosが12月第1週に中国市場から全面撤退する。化粧品開発のための動物実験が欧州連合(EU)全域で全面禁止されたのに対し、中国では動物実験を実施しない製品が販売できないことが背景にある。『南ドイツ新聞』が11月30日付で報じた。

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EUでは動物愛護の観点から2003年3月に発効した化粧品指令で、化粧品(完成品)開発での動物実験が04年から禁止され、09年には原料開発での動物実験が禁止された。さらに、09年3月から動物実験を経て開発された製品と、動物実験で開発された原料を含む製品の販売が禁止となった。代替の実験方法が確立されていない生殖毒性など3種の毒性テストについては13年3月10日まで猶予されていたが、これも3月11日から禁止となった。

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一方、中国では中華人民共和国国家食品薬品監督管理局(SFDA)の基準に基づく動物実験を同国内の検査機関で受けて登録された化粧品しか販売できない。

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自然化粧品を利用する欧州の消費者の大半は動物実験に批判的なため、中国販売を継続するために動物実験を受けると、Logocosのブランドイメージは大きく傷つく恐れがある。

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Logocosの年商は5,000万ユーロで、中国市場から撤退すると1,000万ユーロ以上、減少する見通しで、痛手は大きい。このため、同社に追従する競合企業は今のところ出ていないようだ。

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