化学大手の独Merck(ダルムシュタット)は5日、英同業AZ Electronic Materialsに対する株式公開買い付け(TOB)計画を発表した。電機産業向けの事業を強化することが狙い。AZの経営陣は同TOB提案を受け入れるよう株主に呼びかけている。
\AZを1株当たり現金403.5ペンスで買収する考え。これは過去3カ月間の加重平均株価を約41%上回る水準で、AZの時価をおよそ16億ポンド(約19億ユーロ)と評価した格好だ。TOBの成立条件として95%以上の株式の確保を挙げている。買収の成立には独禁当局の承認も必要。
\AZは集積回路(IC)に投入される化学品や、感光性材料を製造している。昨年の売上高は5億8,400万ユーロで、営業利益(EBITDAベース)1億9,300万ユーロを計上した。IC材料部門の売上高営業利益率(同)は41%と高い。
\Merckは同社の買収により、2016年から年2,500万ユーロのシナジー効果を見込む。統合コストは約5,000万ユーロで、14~16年に計上する意向だ。
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