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2013/12/18

企業情報

モンテローザ―14年にも欧州進出―

この記事の要約

外食大手のモンテローザが世界市場の攻略を加速する。来年にも欧州初の店舗をロシアに開設。その後、欧州の他の国も進出し、進出先を現在のアジアから広げる意向だ。米国市場参入の準備も進めている。川口勝常務が16日、FBCとのイン […]

外食大手のモンテローザが世界市場の攻略を加速する。来年にも欧州初の店舗をロシアに開設。その後、欧州の他の国も進出し、進出先を現在のアジアから広げる意向だ。米国市場参入の準備も進めている。川口勝常務が16日、FBCとのインタビューで明らかにしたもので、同常務は「うまいものを安く提供したい。日本食を正しく理解してもらいたい」と抱負を語った。

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モンテローザは「白木屋」「魚民」「笑笑」などの居酒屋チェーンを展開しており、店舗数は国内外で現在、計2,064カ所(11月末)に上る。同社はこれを6,000カ所に拡大し、売上高も2013年3月期の1,463億円から約7倍の1兆円に増やす目標だ。

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海外事業の強化はこれに沿った取り組みで、アジアではすでに香港、中国(上海)、韓国、台湾、シンガポールの5カ国に進出した。これらの国の店舗数は合わせて約30カ所に上る。

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欧州ではロシアに次いでドイツに進出する。アジアと異なり日本人との味覚の差が大きいため、まずは卸売事業者を通して自社開発メニューを販売。現地消費者の好みを把握したうえで、出店する。

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独露以外では英国、フランス、スペインへの進出を視野に入れている。進出した国では店舗数を10カ所に増やすことが当面の目標だ。欧州では白木屋ないし笑笑ブランドを展開する。

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食材は可能な限り現地で調達し、現調できないものはJFCなど日本食材の卸売事業者から仕入れる。現地調達を重視するのは、コスト削減のほか、新メニューの開発につながるメリットもあるためで、欧州で開発したメニューは日本に「逆輸出」する意向だ。

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白木屋や笑笑などモンテローザの商標・意匠権はアジア諸国や米国、オーストラリアなど計21カ国で、便乗業者に侵害されている。このため同社は現在、これらの国で係争しており、知財権侵害の撲滅に取り組んでいる。

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ドイツでも「WARAWARA」という名のラーメン店が3月にシュツットガルトで営業を開始した。経営者は香港在住のドイツ人で、料理人(ドイツ人)も大阪で3カ月間、修業した経歴がある。外国人がWARAWARAという日本的な響きの言葉を思いつくことは考えにくいうえ、笑笑の店舗は大阪にも香港にもあることから、モンテローザは商標の盗用と判断。「WARAWARA」の商標を使用しないよう要求している。WARAWARAが要求を受け入れない場合は提訴する意向で、川口常務は相手側が断念するまで闘う意向を表明した。

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