Deutsche Telekomの米移動通信子会社T-Mobile US(旧T-Mobile USA)は6日、米市場最大手のVerizon Wirelessから700MHz帯の周波数を現金23億6,500万ドルで譲り受けると発表した。Deutsche TelekomはT-Mobile USから撤退するとみられているが、その前に同子会社の競争力を引き上げ、高い売却益を確保する考えのようだ。
\700MHzは電波がつながりやすい周波数帯。Verizonとの取引が当局の承認を経て実現すると、T-Mobile USは米国の主要30市場のうち21の市場で700MHzの周波数帯を獲得することになる。
\Deutsche Telekomの米移動通信事業は経営不振が続いており、同社は以前から撤退を狙っている。だが、米市場トップのAT&Tに売却する計画は独禁当局が強い難色を示したため、2011年にとん挫。Deutsche Telekomはこれを受け、T-Mobile USAを米同業Metro PCSと合併させ、新会社T-Mobile USを昨年5月に発足させた。T-Mobile USは価格攻勢と通信網の拡充を通して競合から顧客を奪っている。
\T-Mobile USをめぐってはソフトバンク傘下で米移動通信3位のSprintが買収を検討しているとの観測がある。
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