欧州経済の中心地ドイツに特化した
最新の経済・産業ニュース・企業情報をお届け!

2014/1/15

企業情報

McKesson―独CelesioのTOBに失敗―

この記事の要約

医薬品卸大手の米McKessonは13日、独同業Celesioに対する株式公開買い付け(TOB)に失敗したと発表した。TOBの成立条件とした75%以上の株式確保を実現できなかったためで、Celesioは今後も複合企業Ha […]

医薬品卸大手の米McKessonは13日、独同業Celesioに対する株式公開買い付け(TOB)に失敗したと発表した。TOBの成立条件とした75%以上の株式確保を実現できなかったためで、Celesioは今後も複合企業Hanielの傘下にとどまることになった。

\

McKessonは昨年10月、Celesio株を1株当たり現金23ユーロで取得する方針を表明した。これは買収観測が浮上する前の3カ月間の加重平均株価を39%上回る水準で、全株式の価値を約40億ユーロと評価した格好。Celesioの債務およそ20億ユーロも引き受けるため、買収総額は最大60億ユーロを超える見通しだった。Hanielは同TOBを支持し、保有するCelesio株50.01%をすべて譲渡する予定だった。

\

同TOBに対しては米ヘッジファンドElliottが横やりを入れた。ElliottはTOB計画の発表後、Celesio株を大量に確保したうえで、TOB価格が低すぎると批判。McKessonはこれを受けて1月第2週に買い取り価格を50セント増の23.5ユーロに引き上げ、Elliottの同意を得ていた。このため、Celesioに対するTOBは成立するとみられていたが、McKessonが確保した株式は75%に達しなかった。TOB失敗の発表後、Celesio株は急落したことから、Elliottは多額の損失を抱え込んだとみられる。

\

McKessonはCelesioの買収により、売上高を1,500億ドル強に拡大し、世界最大手に浮上する見通しだった。また、Hanielは売却益で債務を圧縮するとともに、事業再編を推し進める意向だった。

\