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2014/1/22

経済産業情報

ビスフェノールAの耐容摂取量10分の1に、EFSAが勧告

この記事の要約

欧州連合(EU)の欧州食品安全機関(EFSA)は17日、プラスチックの原料として使用される化学物質「ビスフェノールA(BPA)」について、1日当たりの耐容摂取量(TDI)を現行水準の10分の1に引き下げるべきだとの見解を […]

欧州連合(EU)の欧州食品安全機関(EFSA)は17日、プラスチックの原料として使用される化学物質「ビスフェノールA(BPA)」について、1日当たりの耐容摂取量(TDI)を現行水準の10分の1に引き下げるべきだとの見解をまとめた。3月13日まで意見募集を行い、各方面からの反応を踏まえて年内に最終決定する。

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BPAは食品や飲料の容器などに使用されており、飲食物への移行などによって体内に取り込まれる可能性があることから、動物実験を通してさまざまな毒性試験が実施されている。EFSAは2008年、ラットを用いた実験結果から無毒性量(有害な影響が観察されなかった最大投与量)を5mg/kg 体重/日、TDI(生涯にわたり摂取し続けても健康への悪影響がないと推定される1日当たりの摂取量)を0.05mg/kg 体重/日と定めた。しかし、その後に極めて少量のBPAへの曝露で動物の胎児や子どもに影響する可能性があるとした研究報告が公表されたことを受け、EFSAは最新の知見やデータを基に改めてBPAの安全性評価を行っていた。

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EFSAはおよそ450件の研究報告を精査した結果、BPAへの曝露が腎臓、肝臓、乳腺に悪影響を及ぼす可能性があると指摘。さらに可能性としては低いものの、生殖、免疫、代謝機能、循環系、がんの進行との関連性も否定できないとして、暫定的にTDIを現行水準の10分の1に当たる0.005mg/kg 体重/日に引き下げるべきだと結論づけている。EFSAはそのうえで、実際の曝露レベルは今回勧告した暫定TDIを大幅に下回っているため、胎児、乳幼児、子どもを含むすべての属性グループでBPAが健康に悪影響を及ぼすリスクは低いとの見解を示している。

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