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2014/1/22

ゲシェフトフューラーの豆知識

年齢別グループごとに解雇対象者を選別、違法な差別に当たるケースも

この記事の要約

企業の経営破たんに伴い人員削減を行う場合、管財人は社員の適切な年齢構成を保つために、社員を年齢層別のグループに分けたうえで、各グループの中から解雇対象者を選別することができる。これは倒産法(InsO)125条1項第1文2 […]

企業の経営破たんに伴い人員削減を行う場合、管財人は社員の適切な年齢構成を保つために、社員を年齢層別のグループに分けたうえで、各グループの中から解雇対象者を選別することができる。これは倒産法(InsO)125条1項第1文2に明記されたルールであり、年齢差別に当たらない。ただ、実際の人員削減でこの方法が適切に適用されなかった場合は一般平等法(AGG)で禁じられた年齢差別に当たる。最高裁の連邦労働裁判所(BAG)は12月19日に下した判決(訴訟番号:6 AZR 790/12)でそんな判断を示した。

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裁判は2011年4月1日付で会社更生手続きが適用された企業の管財人を相手取って1960年生まれの社員が起こしたもの。管財人が事業所委員会(従業員の代表機関)と共同作成した人員削減計画では、44歳までの年齢層の社員は全員、売却先企業で継続雇用され、解雇対象者はそれ以上の年齢層の中から選別されていた。当時50歳に達していた原告は解雇を通告された。

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原告は解雇対象者の選別方法が不当だとして提訴。1、2審で敗訴した。

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一方、最終審のBAGは、人員削減の方法が社員の適切な年齢構成を維持するという目的の達成に適した措置であるかどうかを被告管財人は証明できなかったと指摘し、裁判をニュルンベルク州労働裁判所に差し戻した。差し戻し審では、被告が行った人員削減の方法が社員の適切な年齢構成の維持という目的に合致しているかどうかを吟味して判決を下すよう指示した。

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