欧州経済の中心地ドイツに特化した
最新の経済・産業ニュース・企業情報をお届け!

2014/2/5

経済産業情報

洋上風力発電建設が足踏み、補助金規定改定で資金集まらず

この記事の要約

ドイツの洋上風力発電パーク建設プロジェクトの多くが資金不足から、足踏み状態を余儀なくされている。洋上風力電力に対する補助金規定が12年に改定されたことが大きく、長期にわたる確実な資金回収の見通しが立たないとして投資家や金 […]

ドイツの洋上風力発電パーク建設プロジェクトの多くが資金不足から、足踏み状態を余儀なくされている。洋上風力電力に対する補助金規定が12年に改定されたことが大きく、長期にわたる確実な資金回収の見通しが立たないとして投資家や金融機関が投資・融資に消極的になっているためだ。2013年に資金調達ができたプロジェクトはButendiek1件にとどまっており、業界関係者は危機感を募らせている。1月31日付『フランクフルター・アルゲマイネ』紙が報じた。

\

再生可能エネルギー法(EEG)では、洋上風力発電から電力買い取り価格について2012年に特別規定が設けられた。発電所の稼働開始から8年間は1kWh当たり19セントという高額の助成金を認めるものの、9年目からは3.5セントに引き下げる内容で、早い段階で投資資金を回収できるようにすることで投資しやすくし、建設を支援する狙いがある。ただ、この規定が適用されるのは17年末までに稼働開始する設備に限られ、18年以降に稼働開始した場合は対象とならない。ドイツでは海底ケーブル敷設の遅れや連邦政府が求める設置基準の厳しさなどから、稼働開始が計画から何年も遅れることが目立つため、法改正の意図とは裏腹に、投資回収の見通しが立たないことを嫌った投資家が、投資を見合わせている。

\

13年末に誕生した新政権は事態を重くみて、同規定の適用を2018年末まで延長する方針を打ち出したものの、助成額は「技術の進歩に伴うコストダウンを踏まえ」それぞれ1セント減額する考えだ。電力業界側はこうした対応を「不十分」として強く反発しており、最終的な解決の糸口は見えていない。

\