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2014/2/12

総合 - ドイツ経済ニュース

化学業界ベア3.7%で合意

この記事の要約

化学業界の労使代表は5日、2日間にわたる交渉の末、新しい労使協定を締結した。賃金を3.7%引き上げることが柱。市場の低迷を踏まえるとベースアップ幅は大きいものの、経営状態が極めて厳しい企業についてはベア導入を最大2カ月、 […]

化学業界の労使代表は5日、2日間にわたる交渉の末、新しい労使協定を締結した。賃金を3.7%引き上げることが柱。市場の低迷を踏まえるとベースアップ幅は大きいものの、経営状態が極めて厳しい企業についてはベア導入を最大2カ月、延期する措置を盛り込んだことで、労使の合意が成立した。

新協定の有効期間は14カ月で、賃上げは発効から1カ月後に行われる。協定の発効日はノルトライン、ラインラント・ファルツ、ヘッセン地区が2月1日、ヴェストファーレン、バイエルン、バーデン・ヴュルテンベルク、ニーダーザクセン/ブレーメン、シュレスヴィヒ・ホルシュタイン/ハンブルク、ベルリン地区が3月1日、ザールラント、ノルトオスト(北東)地区が4月1日。

連邦統計局のデータをもとに6日付『フランクフルター・アルゲマイネ』紙が報じたところによると、化学業界と金属業界の賃金は2003~13年の10年間に30%以上、上昇した。この間の物価上昇率は18%、ドイツ全体の協定賃金上昇率も約23%にとどまっており、両業界の賃上げ幅が大きいことが分かる。

今回の協定では、職業訓練を終了した職業訓練生を加盟企業が無期契約の正社員として採用する原則も取り決められた。正社員として採用する義務はないものの、訓練を終了した職業訓練生と有期雇用契約を締結する場合はこれまでよりも強い説明責任が発生する。