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2014/2/12

企業情報

Merck KGaA―バイオシミラーをブラジルで共同生産へ―

この記事の要約

製薬大手の独Merck(ダルムシュタット)がバイオ医薬品の後発薬(バイオシミラー)をブラジル企業と共同で現地生産する。英『ファイナンシャル・タイムズ』紙が報じ、同社が10日追認したもので、製品はすべてブラジル保健機関に販 […]

製薬大手の独Merck(ダルムシュタット)がバイオ医薬品の後発薬(バイオシミラー)をブラジル企業と共同で現地生産する。英『ファイナンシャル・タイムズ』紙が報じ、同社が10日追認したもので、製品はすべてブラジル保健機関に販売する。

Merckは現地企業3社(Bionovis、Fiocruz、Instituto Vital Brazil)と共同で現地に工場を建設し、がん治療薬4種類と関節炎治療薬2種類のバイオシミラーを生産する。具体的にはRocheのがん治療薬「Avastin」「Rituxan/Mabthera」「Herceptin」とMerckのがん治療薬「Erbitux」、Johnson & Johnson(J&J)と米Merk & Coの関節炎治療薬「Remicade」、Amgenの関節炎治療薬「Enbrel」の後発薬を製造する。

契約期間は5年間で、この間はブラジル政府が引き受けを保証する。契約は更新される可能性もある。

バイオシミラー市場は将来性が高い。いわゆるブラックバスター(年商10億ドル/ユーロ以上の医薬品)に該当するバイオ医薬品10種類以上が、今後数年で特許切れとなるためだ。これら医薬品の売上高は現在、バイオ医薬品全体の約40%を占めており、市場調査機関IMS Healthは医薬品市場に占めるバイオシミラーの割合が2020年には2012年の0.4%から4~10%(金額ベース:110億~250億ユーロ)へと拡大すると予想している。Merckは12年、バイオシミラー事業への参入を果たした。