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2014/2/5

ゲシェフトフューラーの豆知識

職場の駐車場の有料化は不当か

この記事の要約

職員に駐車場の利用を無料で認めてきた雇用主が、これを有料制に切り替えることは不当な措置に当たるのだろうか。この問題をめぐる係争でバーデン・ヴュルテンベルク州労働裁判所が1月13日に判決(訴訟番号:1 Sa 17/13)を […]

職員に駐車場の利用を無料で認めてきた雇用主が、これを有料制に切り替えることは不当な措置に当たるのだろうか。この問題をめぐる係争でバーデン・ヴュルテンベルク州労働裁判所が1月13日に判決(訴訟番号:1 Sa 17/13)を下したので、ここで取り上げてみる。

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裁判は勤務先の病院を相手取って職員が起こしたもの。同病院は2011年末まで、駐車場を無料で患者、職員、訪問者に利用させてきたが、駐車場を改修した12年1月1日以降は、有料制に切り替えた。料金は患者と訪問者が1時間当たり1.5ユーロ。職員は1時間以内が0.1ユーロ、1日が0.7ユーロ、月極めが12ユーロだった。

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この措置に対し原告職員は、職場の慣習を一方的に破棄するもので信義義務に反するなどと主張。今後も無料で利用する権利の確認を求めて提訴した。

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原告は1審で敗訴。2審のバーデン・ヴュルテンベルク州労裁も1審判決を支持した。判決理由で裁判官は、職場の習慣からは駐車場の無料提供を要求する権利は発生しないとの判断を示した。また、原告は被告病院が多額の費用を投じて駐車場を改修した事情を理解していないとの見解も付け加えた。

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最高裁への上告は認めなかった。

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