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2014/2/19

総合 - ドイツ経済ニュース

DGP成長率上昇、13年第4四半期は実質0.4%に

この記事の要約

ドイツ連邦統計局が14日発表した2013年第4四半期の国内総生産(GDP)は物価・季節要因・営業日数調整後の実質で前期比0.4%増となり、成長率は第3四半期の同0.3%を上回った(グラフ参照)。輸出の伸びが輸入を上回り、 […]

ドイツ連邦統計局が14日発表した2013年第4四半期の国内総生産(GDP)は物価・季節要因・営業日数調整後の実質で前期比0.4%増となり、成長率は第3四半期の同0.3%を上回った(グラフ参照)。輸出の伸びが輸入を上回り、外需(輸出-輸入)が全体をけん引。内需はこれまで堅調だった個人消費がやや落ち込み、政府最終消費支出も横ばいにとどまったものの、設備投資と建設投資は大きく伸びた。在庫の整理が大きく進んだため在庫投資は成長率の押し下げ要因となった。

統計局によると、2014年の実質GDPは13年第4四半期と同水準(ゼロ成長)で推移しても、統計上の持ち越し効果で成長率が0.6%に達する。

EU統計局ユーロスタットが同日発表したユーロ圏の13年第4四半期の実質GDPは前期比0.3%増となり、上げ幅は第3四半期から0.1ポイント上昇した。プラス成長は3四半期連続。欧州連合(EU)28カ国ベースの成長率も0.1ポイント増の0.4%に上昇した。ドイツ以外の主要国の成長率は英国が0.7%、スペインとフランスが各0.3%、イタリアが0.1%だった。

一方、ドイツ政府は12日の閣議で、14年の実質GDP成長率を従来予測の1.7%から1.8%へと上方修正した(表参照)。独経済は12年から2年連続で0%台の低成長が続いたが、今年は内需主導で成長が加速。15年は2%の成長も可能だとしている。

14年はこれまでに引き続き個人消費が好調で、政府は同成長率が前年の0.9%から1.4%に上昇すると予想している。雇用情勢の安定と賃金の上昇が続くためだ。世界経済の回復を受けて、これまで抑制されていた設備投資と建設投資はそれぞれ4.0%増、3.2%増となり、3年ぶりに拡大へと転じるとみている。

輸出成長率も13年の0.6%から4.1%へと上昇する。ただ、好調な内需を受けて輸入が5.0%拡大するため、外需はGDP成長を足をやや引っ張る見通しだ。政府は輸入成長率が輸出成長率を下回る結果、常黒字幅が縮小し、欧州経済の回復に寄与すると強調している。ドイツの経常黒字をめぐってはユーロ危機を助長しているとの批判が米国などから出ている。

政府は今回の予測を世界経済が順調に推移するとの前提に立って作成した。このため、中国経済の「ハードランディング」といったリスク要因を加味していない。

仏大手銀行ソシエテ・ジェネラルはこのほど公開したレポートのなかで、中国のGDP成長率が13年の7.7%から5%未満へと大幅に低下する可能性が20%に上るとの見方を示した。そうした事態になった場合、ドイツ経済は輸出減といった直接的な影響だけでなく、世界経済全般の減速を通して間接的な影響も受けることになる。