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2014/2/12

経済産業情報

衣料品市場での国内ブランドシェア65%に、存在感は低下傾向

この記事の要約

墺市場調査会社Kreutzer Firscher & Partner(KFP)はこのほど、独衣料品業界動向レポートを発表した。それによると、靴を除く国内衣料品小売市場(416億ユーロ)における独メーカーのシェア […]

墺市場調査会社Kreutzer Firscher & Partner(KFP)はこのほど、独衣料品業界動向レポートを発表した。それによると、靴を除く国内衣料品小売市場(416億ユーロ)における独メーカーのシェアは65%で、乗用車(59%、外資系のフォードとオペル除く)と食料品(71%)にほぼ並ぶ高い水準となった。各流通チャンネルが販売する独メーカー品の割合は百貨店・チェーン店が80%と圧倒的に高く、独立系専門店でも75%を占めた。一方、垂直統合型小売店では60%、通販・ネットショップでは55%と平均を下回った。

衣料品の販売チャンネル別のシェアを見ると、百貨店・チェーン店は2001年の26%から13年には22%へと低下、独立系専門店も30%から18%に落ち込んだ。これに対し、垂直統合型小売店は16%から26%に、通販・ネットショップも16%から23%に伸びており、これまで主に国内メーカー品を取り扱ってきた販売チャンネルが力を失ってきていることが見て取れる。これと歩調を合わせるように、衣料小売市場における独メーカーの存在感は低下し続けており、シェアは01年の73%から15年に61%、20年には55%へと落ち込む見通しだ。

ドイツの衣料品業界が生み出す付加価値は製造部門が217億ユーロ、販売部門が166億ユーロで、計383億ユーロ(GDPの1.5%)に上る。また、業界就業人口は製造12万人、販売(小売)33万人で、合わせて45万人に達する。KFPによると、独メーカーの後退が続きシェアが現在の65%から55%に落ちると、雇用規模は製造部門で2万人、販売部門で3万人、縮小する恐れがあるという。