欧州経済の中心地ドイツに特化した
最新の経済・産業ニュース・企業情報をお届け!

2014/2/19

企業情報

Daimler AG―中国市場向けEVを充電システムとセット販売へ―

この記事の要約

自動車大手の独Daimler(シュツットガルト)は13日、中国のバッテリー・自動車メーカー、比亜迪汽車(BYD)と共同開発した電気自動車(EV)「騰勢(DENZA)」を家庭用高速充電システムと合わせて販売することを明らか […]

自動車大手の独Daimler(シュツットガルト)は13日、中国のバッテリー・自動車メーカー、比亜迪汽車(BYD)と共同開発した電気自動車(EV)「騰勢(DENZA)」を家庭用高速充電システムと合わせて販売することを明らかにした。同国で充電スタンドの普及が遅れていることを踏まえ、EV販売を促進するには家庭用充電システムの販売が欠かせないと判断した。

騰勢はDaimlerとBYDが2011年に設立した合弁会社BDNT(Shenzhen BYD Daimler New Technology)が中国市場向けに開発したモデルで、4月開催の北京モーターショーで初公開する。年内に発売する予定で、年央にはディーラー第1号店を北京に開設。その後、上海と深センにも設置する。

高速充電システムはスイスの重電大手ABBが供給する。同充電システムはスマートフォンのアプリを通して充電操作ができるほか、バッテリーの残量を知ることもできる。

中国政府は外国メーカーに対し同国市場に特化したEV車の導入を強く要請。これを受けてVolkswagen(VW)は11年、現地提携先の第一汽車(FAW)、上海汽車(SIAC)と共同でEVブランド「開利(Kaili)」、「天越(Tantus)」をそれぞれ立ち上げた。BMWもEVブランド「Zinoro」を現地提携先の華晨中国汽車(Brilliance)とともに設立している。

だが、EVの普及に必要な充電スタンド網がないため、EVを市場投入しても売れない公算が高い。BMWはこれを踏まえ、Zinoroを当面、販売せず、レンタル事業に限定する意向だ。VWも販売を見合わせる方針を示している。