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2014/2/26

経済産業情報

ドイツ銀が損賠支払いで和解 メディア大手キルヒの破たんで

この記事の要約

独メディア大手のキルヒ・メディアが2002年に経営破たんしたのはドイツ銀行のロルフ・ブロイアー頭取(当時)の失言が原因だとして、同社のオーナーだったキルヒ一族がドイツ銀と同頭取に損害賠償の支払いを要求していた裁判で20日 […]

独メディア大手のキルヒ・メディアが2002年に経営破たんしたのはドイツ銀行のロルフ・ブロイアー頭取(当時)の失言が原因だとして、同社のオーナーだったキルヒ一族がドイツ銀と同頭取に損害賠償の支払いを要求していた裁判で20日、和解が成立した。同行は7億7,500万ユーロに金利を加えた額を支払う。これにより14年に及んだ係争にようやく幕が下りた。

ブロイアー頭取は02年2月3日のインタビューで、キルヒ・メディアに融資や投資を行う金融事業者はいないと述べ、同社の経営破たんが避けられないことを示唆した。キルヒ・メディアは2カ月後の4月8日に会社更生手続きの適用申請に追い込まれた。

これを受け同社のオーナーだったレオ・キルヒ氏は提訴。同氏が11年7月に死亡した後は遺族が裁判を引き継いでいた。

今回の和解によりドイツ銀が遺族に支払う額は9億~9億2,500万ユーロに上るもよう。同行は損賠支払いに伴い13年10-12月期決算で引当金3億5,000万ユーロを追加計上する。このため、13年12月通期の最終利益は1月発表の暫定決算で提示した10億8,200万ユーロから約7億3,000万ユーロに低下する見通しだ。