ドイツ人はスマートフォンやタブレットPCなどのモバイル端末を使った銀行取引(モバイルバンキング)に慎重なようだ。企業コンサルティング大手のBain & Companyがこのほどまとめたリテールバンキングに関する国際調査によると、過去3カ月間にスマホ/タブレットのモバイルバンキングアプリまたは銀行のウェブサイトを1回以上利用したドイツ人ユーザーは35%で、調査対象27カ国中19位にとどまった。スマホから振り込みサービスを利用したユーザーは13%(22位)で、トップの中国(49%)の3分の1以下にとどまる。
年齢による利用度の違いは比較的小さかった。35歳以下の若者層と55歳以上の高齢層との間のモバイルバンキング利用者の差は19ポイントで、ベルギー(18ポイント)、日本(9ポイント)に次いで小さい。
モバイルバンキングを利用するユーザーの割合は銀行によって差があり、最も低い銀行が約30%だったのに対し、最も高いComdirect(ダイレクトバンク)では45%を超えた。
モバイルバンキングの普及があまり進まない背景には、セキュリティに懸念を持つ人が多いことがある。『フランクフルター・アルゲマイネ』紙によると、市場調査会社Pulsが銀行顧客1,100人を対象に実施したアンケート調査では「モバイルバンキングは安全でない」との回答が全体の45%に達したという。