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2014/3/12

経済産業情報

ダイムラーが採用拒否の冷媒、調査委が安全宣言

この記事の要約

独自動車大手ダイムラーが高級車メルセデス・ベンツの一部モデルに欧州連合(EU)が新車への使用を禁止しているカーエアコン用の冷媒を搭載している問題で、欧州委員会は7日、ダイムラーが採用を拒否している新冷媒に安全性の問題はな […]

独自動車大手ダイムラーが高級車メルセデス・ベンツの一部モデルに欧州連合(EU)が新車への使用を禁止しているカーエアコン用の冷媒を搭載している問題で、欧州委員会は7日、ダイムラーが採用を拒否している新冷媒に安全性の問題はないとする専門委員会の報告書を公表した。

EUでは温暖化防止策の一環として、昨年1月からカーエアコン用冷媒として使われてきた「R134a」などの代替フロンに代わり、地球温暖化係数(GWP)150以下の冷媒を使用することが義務づけられた。現時点でこの基準を満たすのは米ハネウエル・インターナショナルの「R1234yf」のみで、各メーカーは2011年以降に型式認定を受けたすべてのモデルにこの新冷媒を採用しなければならない。ほとんどのメーカーは同ルールを順守しているが、ダイムラーは独自に行った試験で高温のエンジンルーム内で引火性を持つことが確認されたとして新冷媒の採用を見合わせている。

欧州委からR1234yfの科学的評価を依頼された合同調査委員会は報告書で、「通常および予測可能な条件での新冷媒の使用について、深刻なリスクが生じる証拠は見当たらない」とし、安全性を問題視するダイムラーの主張には根拠がないと結論づけた。

これに対しダイムラーは声明で「調査は限定的すぎる」と反論。そのうえで、R1234yfを採用する代わりに今後も二酸化炭素(CO2)を利用した新たな冷媒の開発を推進する方針を改めて示した。