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2014/3/19

企業情報

Volkswagen AG―第一汽車の合弁契約更新交渉が難航―

この記事の要約

自動車大手の独Volkswagen(VW、ヴォルフスブルク)と中国同業の第一汽車(FAW)が進める合弁契約の更新交渉が難航している。合弁会社・一汽大衆への出資比率拡大を目指すVWと、VWからの技術移転の拡大を求めるFAW […]

自動車大手の独Volkswagen(VW、ヴォルフスブルク)と中国同業の第一汽車(FAW)が進める合弁契約の更新交渉が難航している。合弁会社・一汽大衆への出資比率拡大を目指すVWと、VWからの技術移転の拡大を求めるFAWの思惑がネックとなっているためだ。13日付『ハンデルスブラット』紙が報じた。VWの広報担当者は同紙の問い合わせに「未解決の問題はあるが、今後、解決される」と回答した。

合弁契約は2016年で失効するため、両社は現在、更新交渉を進めている。VWは出資比率を現行の40%から49%に高めたい考え。一汽大衆は収益力が高く、出資比率を引き上げればVWの利益が大きく膨らむためだが、FAWは難色を示しているという。

FAWはVWに対しプラットフォームの完全共有や共同技術開発、技術者養成のサポートを要求している。だが、VWのエンジン、ギアボックスの設計情報をFAWが不当に入手していた事実が12年に発覚したこともあり、VWは警戒感を示している。

FAWがVWから技術を獲得しようとする背景には、国際競争力のある車両を中国メーカーが単独で開発・製造できるようにしたいという中国政府の思惑がある。