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2014/3/19

経済産業情報

ニュルブルクリンクを中堅部品会社が買収

この記事の要約

2012年7月に経営破たんしたニュルブルクリンク・サーキット場の売却に向けた入札で、独中堅自動車部品メーカーのCapricorn(デュッセルドルフ)が落札した。Capricornはニュルブルクリンクの資産と事業すべてを引 […]

2012年7月に経営破たんしたニュルブルクリンク・サーキット場の売却に向けた入札で、独中堅自動車部品メーカーのCapricorn(デュッセルドルフ)が落札した。Capricornはニュルブルクリンクの資産と事業すべてを引き継ぐ。買収価格は7,700万ユーロで、Capricornは買収後、最大2,500万ユーロの設備投資を行う。年内の手続き完了を見込む。運営会社Nuerburgring GmbHとCapricornが11日、明らかにした。

ニュルブルクリンクはF1レースや24時間耐久レースで世界的に有名だが、赤字経営が続いていた。このためNuerburgring GmbHは09年、遊園地やホテル建設を柱とする再開発プロジェクトに着手したものの、業績悪化に拍車をかける結果となった。

運営会社の株式90%を保有するラインラント・プファルツ州政府は救済に向け5億2,400万ユーロの緊急融資を実施しようとしたものの、欧州連合(EU)の欧州委員会が国家補助規定に抵触する可能性があるとして調査を開始したため、資金注入を見合わせざるを得なくなり、サーキットは倒産に追い込まれた。

Capricornはニュルブルクリンクの柱がサーキットであることを明確に打ち出して経営再建に取り組む。同サーキットの周辺に自動車産業の技術クラスターを創設することも考えている。

Capricornはモータースポーツ向け部品の製造・開発を手がける。ニュルブルクリンクには2002年から生産拠点を構えている。