ドイツのアンドレア・ナーレス連邦労働相は20日、年金支給額を今年7月から西部地区で1.67%、東部地区で2.53%引き上げると発表した。経済の安定を背景に昨年、賃金が大きく引き上げられたことを受けた措置。インフレ率は今年1.5%と予想されており、受給額は実質的に増加する見通しだ。
東部と西部地区で上げ幅に違いがあるのは東部地区の賃金上昇率が西部地区より大きかったため。前年の賃金が下がっても年金支給額を据え置くルール(年金額保証制度)を先の金融危機時に適用したことも尾を引いている。
同ルールでは、翌年以降に賃金が上昇しても年金引き上げ率を賃金上昇率の半分に抑制。これを通して賃金と年金の変動率に生じた差を相殺する。東部地区では相殺がすでに終了したが、西部地区では今年まで行われる。