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2014/4/9

企業情報

BASF SE―戸田工業と合弁交渉、電池正極材分野で―

この記事の要約

化学大手の独BASF(ルートヴィヒスハーフェン)は3日、リチウムイオン電池用正極材の合弁会社設立に向けて戸田工業と独占交渉を開始したと発表した。バッテリー材料事業の強化戦略に基づく措置で、触媒事業の責任者は「戸田工業との […]

化学大手の独BASF(ルートヴィヒスハーフェン)は3日、リチウムイオン電池用正極材の合弁会社設立に向けて戸田工業と独占交渉を開始したと発表した。バッテリー材料事業の強化戦略に基づく措置で、触媒事業の責任者は「戸田工業との合弁事業により、BASFはグローバルのバッテリー材料市場において、さらなる事業の拡大と成長を加速していきます」と述べた。

合弁会社を日本に設立し、BASFは過半数資本を握る考え。広報担当者はロイター通信に、交渉が年内に終了するとの見通しを明らかにした。

同合弁ではNCA(ニッケル系正極材)、LMO(マンガン系正極材)、NCM(三元系正極材)といったさまざまな正極材料の製造、マーケティング、販売事業を展開。両社は正極材(CAM)ビジネス、知的財産権、日本の製造設備・拠点などを統合する。

戸田工業の久保田正社長はリチウムイオン電池市場における成長のカギとして、「製品開発」「性能」「コスト」「供給規模・能力」の4点を指摘。BASFと合弁事業を展開するとシナジー効果でこれら4点をすべて強化できるとの見方を示した。

BASFはバッテリー事業を強化しており、これまでにニッケル・水素充電池(NiMH)メーカーの米Ovonic Battery Company、電解液メーカーの米Novolyte Technologies、独Merckの電解液事業を買収した。メディア報道によると、バッテリー事業の2013年の売上高は千万ユーロのケタ台の半ば~後半にとどまった。同社は20年までにこれを5億ユーロ以上に拡大する目標だ。