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2014/4/9

総合 - ドイツ経済ニュース

欧州中銀が量的緩和検討、デフレ懸念増大で

この記事の要約

欧州中央銀行(ECB)は3日に開いた定例政策理事会で、ユーロ圏18カ国に適用される最重要政策金利を現行の年0.25%に据え置くことを決めた。金利据え置きは5カ月連続。ユーロ圏ではデフレ懸念が強まっているが、今回は追加金融 […]

欧州中央銀行(ECB)は3日に開いた定例政策理事会で、ユーロ圏18カ国に適用される最重要政策金利を現行の年0.25%に据え置くことを決めた。金利据え置きは5カ月連続。ユーロ圏ではデフレ懸念が強まっているが、今回は追加金融緩和に踏み切らなかった。ただ、ドラギ総裁は、低インフレが続いていることについて、これまでよりも強い調子で警戒感を示し、量的金融緩和を検討していることを明らかにした。

ユーロ圏では債務危機の沈静化に伴って景気が緩やかに回復している。しかし、物価が上がらない状況が続いており、3月のインフレ率は2009年11月以来の低水準となる前年同月比0.5%まで縮小。デフレ懸念が増幅している。

ドラギ総裁はこうした動向を踏まえ、低金利政策の継続を改めて明言すると同時に、「(物価の)動向を注意深く見守り、あらゆる手段を検討する」とコメント。「理事会は非常手段の行使も辞さない点で一致した」と述べ、国債購入など量的緩和の実施を視野に入れていることを明らかにした。

ユーロ圏ではドイツ連邦銀行が量的緩和に否定的だったが、ここにきて容認姿勢に転じている。ユーロ高が輸入コストを下げ、低インフレを増長しているとの見方が広まっていることが背景にある。