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2014/4/9

経済産業情報

仏・スイスのセメント大手が合併、ダントツの世界1位に

この記事の要約

セメント大手の仏ラファルジュとスイスの同業ホルシムは7日、合併計画を発表した。シナジー効果を引き出すほか、中国やメキシコ、南アフリカなど新興諸国の競合に対抗する狙い。株主と当局の承認を経て合併が実現すると、世界でダントツ […]

セメント大手の仏ラファルジュとスイスの同業ホルシムは7日、合併計画を発表した。シナジー効果を引き出すほか、中国やメキシコ、南アフリカなど新興諸国の競合に対抗する狙い。株主と当局の承認を経て合併が実現すると、世界でダントツ1位のセメントメーカーが誕生する。クロージングは来年上半期を見込む。

両社は株式交換を通して対等合併を実施。新会社ラファルジュホルシムを設立する。ホルシムの売上高は約160億ユーロ、ラファルジュは同152億ユーロで、事業規模はほぼ同じ。直近の決算をもとに計算すると、新会社の売上高は320億ユーロ(390億スイスフラン)、営業利益(EBITDA)は65億ユーロ(80億フラン)となる。

セメント販売でホルシムは世界1位、ラファージュは同2位。両社を合わせた2013年の販売量は約2億7,500万トンに達し、3位の独ハイデルベルグセメントの3倍を超える。

ラファルジュホルシムは本社をスイスに置く。取締役会会長にはホルシムの次期会長に就任予定のヴォルフガング・ライツレ氏(独工業ガス大手リンデ社長)が就き、最高経営責任者(CEO)にはラファルジュのブルーノ・ラフォンCEOが横滑りする。

ホルシムがラテンアメリカ、アジア市場に強いのに対し、ラファルジュは中東、アフリカ市場に強く、両社は事業の補完性が高い。シナジー効果は合併後3年で14億ユーロ(17億フラン)を見込む。新会社は世界の90カ国で事業を展開する見通し。

合併に当たって両社はEBITDAの10~15%に当たる事業の放出を独禁当局から命じられると予想している。