独風力発電タービン大手のEnercon(アオリヒ)は再生可能エネルギー法(EEG)改正案の成立後、これまで凍結してきた1億1,000万ユーロ規模の国内投資を解除する意向だ。ハンスディター・ケットヴィヒ社長の発言として『フランクフルター・アルゲマイネ』紙が報じたもので、同社長は、先ごろEEG改正法案が閣議決定されたことでドイツ市場の先行き不透明感が解消されたとの見方を示した。
同社が特に期待をかけるのはリパワリング(発電容量の小さい旧式の設備を容量の大きい新設備と交換する措置)だ。同社長は、リパワリング需要が2016年から大幅に拡大すると予想している。
リパワリングは風力発電用の用地を新たに取得する必要がないため、地域住民の反対を受けることが少ないというメリットがある。用地面積が同じであれば、発電容量は旧式の設備を大幅に上回る点もプラス材料だ。同社が昨年北海沿岸のヴィットムントで手がけたケースでは、撤去する旧式タービンが17基に上ったのに対し、新設するタービンは4基で足りた。
Enerconは陸上風力タービンの専門メーカーで、洋上風力タービン分野には進出していない。主な市場はドイツで、同国の陸上風力発電タービン市場(13年=約3,000メガワット)で約50%のシェアを持つ。
昨年の販売実績は世界全体で3,600メガワット(MW)に上った。今年はこれが4,100MW、来年は同4,200MW以上に拡大すると予想している。