電機大手の蘭Philips(アムステルダム)は28日、オーディオ、ビデオ、マルティメディア子会社 WOOX Innovationsを米楽器大手の Gibson Brandsに売却することで合意したと発表した。経営資源を医療機器、照明、白物家電事業に絞り込む戦略に沿った措置。取引価格は1億3,500万ドルで、Philipsはこのほか、ブランド使用料をさし当り7年間、受け取る。売却手続きは独禁当局の承認と従業員代表との協議を経て下半期に終了する見通し。
Philipsは家電事業を縮小し、照明、医療機器やコーヒーメーカー、電気カミソリなど急成長している一部の家電事業に集中する戦略を進めており、テレビ事業は2011年に台湾の冠捷科技(TPV)との合弁に移管。今年に入って同合弁から資本をすべて引き上げた。オーディオ、ビデオ、マルティメディア事業については船井電機に譲渡することで13年1月に合意したが、同10月に破棄した経緯がある。
Gibsonは音響分野で主導的なメーカーになることを目指しており、その一環として今回の買収に踏み切った。オンキヨーに資本参加しているほか、昨年はティアックを傘下に収めた。
WOOX Innovationsは香港に本社を置いており、従業員数は1,900人。直近の売上高は12億ユーロに上った。