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2014/4/30

企業情報

Hapag-Lloyd AG―コンテナ事業統合でチリ同業と最終合意―

この記事の要約

海運大手の独Hapag-Lloyd(ハンブルク)は16日、チリ同業CSAVのコンテナ事業を同社に統合することで最終合意したと発表した。両社は1月に基本合意し、これまで資産査定(デューデリジェンス)を進めてきた。独禁当局の […]

海運大手の独Hapag-Lloyd(ハンブルク)は16日、チリ同業CSAVのコンテナ事業を同社に統合することで最終合意したと発表した。両社は1月に基本合意し、これまで資産査定(デューデリジェンス)を進めてきた。独禁当局の承認を経て取引が成立すると、Hapag-Lloydは世界6位から4位に浮上する見通しだ。

両社は昨年12月、提携交渉を進めていることを明らかにした。厳しさを増す国際市場で競争力を強化することが狙い。買収のシナジー効果は少なくとも年3億ドル(2億2,000万ユーロ)を見込む。

CSAVは運航船舶数が53隻。コンテナ積載能力は計26万3,000TEU(20フィートコンテナ換算)で、世界20位に付ける。単独で生き残るには事業規模が小さすぎるという問題を抱えていた。

Hapag-Lloydは運航船舶数が152隻、コンテナ積載能力が73万TEUで、世界6位につけるものの、業界トップ3のデンマークMaersk(シェア14.5%)、スイスMSC(同13.3%)、仏CMA CGM(8.4%)に比べるとシェアが小さい。CSAVのコンテナ事業を統合するとシェアが4.2%から5.6%に拡大する。

CSAVはコンテナ事業をHapag-Lloydに売却し、その見返りとしてHapag-Lloyd株30%を取得。その後、Hapag-Lloydが行う3億7,000万ユーロの増資の70%(2億5,900万ユーロ)を引き受け、出資比率を34%に引き上げる。Hapag-Lloydは2015年秋をめどに新規株式公開(IPO)を実施し、市場資金3億7,000万ユーロを追加調達することも計画している。