化学大手の独Merck(ダルムシュタット)は2日、英同業AZ Electronic Materialsに対する株式公開買い付け(TOB)でAZ株81.3%を確保し、TOBの成立条件とした75%を上回ったと発表した。今後はAZの上場廃止向けた手続きに着手する。統合手続は大部分が年内に終了する見通しという。
MerckはAZを約19億ユーロ(約16億ポンド)で買収することでAZの経営陣と昨年12月に合意しTOBを開始。期限を数度延長して75%超の確保に成功した。
AZは集積回路(IC)に投入される化学品や、感光性材料を製造している。昨年の売上高は7億3,000万ドル(5億3,000万ユーロ)で、その約80%を主な生産拠点があるアジアで獲得した。Merckは同社の買収によりハイテク素材事業を強化する意向だ。