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2014/5/14

経済産業情報

VWがスカニア株90%超を確保、スクイズアウトへ

この記事の要約

自動車大手の独フォルクスワーゲン(VW)は13日、スウェーデンの商用車子会社スカニアに対する株式公開買い付け(TOB)で目標とした90%超を確保したと発表した。今後はスカニアの完全子会社化に向けてスクイーズアウト(少数株 […]

自動車大手の独フォルクスワーゲン(VW)は13日、スウェーデンの商用車子会社スカニアに対する株式公開買い付け(TOB)で目標とした90%超を確保したと発表した。今後はスカニアの完全子会社化に向けてスクイーズアウト(少数株主排除)の権利を行使し、上場を廃止。自社の商用車部門と独子会社MAN、スカニアの3者による商用車連合の実現を目指す。

VWは2月21日にTOB開始した時点でスカニアの全株式の62.64%を保持していた。当初設定した4月25日の期限までに確保したのが88.25%にとどまり目標の90%超に届かなかったことから期限を延長。これまでTOBに応じなかった投資家の一部が受け入れに転じたため、VWは13日時点で90.47%を確保した。

VWは商用車連合の実現に向けてスカニアを2008年に買収し、MANも11年に傘下に収めたものの、スカニアの警戒感が強いことから協力関係が進展しておらず、VWは停滞を打破するため今回のTOBに乗り出した。

完全子会社化により、10~15年後に年6億5,000万ユーロ以上のシナジー効果が生まれるとみている。シナジー効果がフルに引き出されるのに10年以上の時間がかかるのは、商用車では製品ライフサイクルが長いという事情があるため。