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2014/6/11

企業情報

BMW―国内工場でコスト削減へ―

この記事の要約

高級車大手の独BMW(ミュンヘン)が国内工場の人件費を削減する意向だ。独メディアが報じ、同社が追認したもので、各工場の競争力の維持に必要な措置だとして理解を求めている。従業員代表と労働組合は不要な措置だと批判しており、今 […]

高級車大手の独BMW(ミュンヘン)が国内工場の人件費を削減する意向だ。独メディアが報じ、同社が追認したもので、各工場の競争力の維持に必要な措置だとして理解を求めている。従業員代表と労働組合は不要な措置だと批判しており、今後行う経営陣との協議で抵抗する意向を示している。

同社の昨年の最終利益は過去最高の53億ユーロに達した。今年第1四半期の売上高営業利益率も9.5%と高く、目標(8~10%)を十分に達成した。好業績を受け従業員には1人当たり約8,000ユーロの特別手当を支給したばかりだ。

それにもかかわらず、経営陣はコスト削減に踏み切る考え。同社は生産性を年5%のスピードで引き上げることを目指しており、これを実現するには独工場の人件費圧縮が欠かせないと判断したようだ。

従業員代表がメディアに明らかにしたところによると、1日に2回ある各15分の小休憩時間を賃金の支給対象から外し(無給化し)、年間コストを約1億ユーロ引き下げる方針という。

自動車メーカーは保有する工場のコストを踏まえたうえで、各工場にモデルの生産を割り当てている。人件費の高い工場は割り当てで不利になり、場合によっては閉鎖に追い込まれる恐れがある。BMWの独工場は中国や米国あるグループの別の工場とも競合関係にあり、競争力の維持に向けたコスト削減圧力が高まっているようだ。