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2014/6/11

経済産業情報

旅客・貨物輸送、ドイツ鉄道の競合がシェア伸ばす

この記事の要約

ドイツ鉄道(DB)は5日、国内旅客・貨物輸送市場の動向をまとめた「市場競争レポート」を発表した。それによると、2013年の国内鉄道貨物輸送量は1,126億トンキロメートル(tkm)となり、前期比で2.4%拡大した。DBの […]

ドイツ鉄道(DB)は5日、国内旅客・貨物輸送市場の動向をまとめた「市場競争レポート」を発表した。それによると、2013年の国内鉄道貨物輸送量は1,126億トンキロメートル(tkm)となり、前期比で2.4%拡大した。DBの輸送量が4.2%減の752億tkmに縮小した一方で、競合は18.7%増の374億tkmに拡大。競合のシェアは28.6%から33.2%に伸びた。陸送市場全体(トラック、内陸水運、パイプライン、鉄道)に占める鉄道のシェアは17.5%で前年と変わらなかった。

人員輸送部門の輸送手段別シェアは自動車(バイク、原付含む)が84.1%(0.2ポイント増)と大部分を占めた。鉄道が8.0%(0.2ポイント減)、鉄道を除く公共交通機関が6.9%(0.1ポイント減)、旅客機が0.9%(変動なし)だった。

近距離旅客鉄道輸送(列車キロベース)では、DBが4億7,400列車キロ(900万列車キロ減)、競合が1億7,000万列車キロ(900万列車キロ増)で、競合のシェアは25.0%から26.4%に拡大した。

ドイツでは13年に長距離路線(高速)バス市場が完全自由化されたことを受け、DBは長距離旅客輸送の分野で民間バス会社との激しい競争にさらされている。今回のレポートでは人キロメートルベースでの輸送量や市場シェアに言及しておらず、DBが長距離バスの躍進で苦戦を強いられていることがうかがわれる。