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2014/6/11

ゲシェフトフューラーの豆知識

同僚につばで即時解雇は妥当

この記事の要約

同僚につばを吐きつけた社員を即時解雇することは妥当だ――。ケルン州労働裁判所が昨年12月の判決(訴訟番号:11 Sa 663/12)でそんな判断を示したので、ここで取り上げてみる。 裁判は勤務先の保険代理店から即時解雇を […]

同僚につばを吐きつけた社員を即時解雇することは妥当だ――。ケルン州労働裁判所が昨年12月の判決(訴訟番号:11 Sa 663/12)でそんな判断を示したので、ここで取り上げてみる。

裁判は勤務先の保険代理店から即時解雇を通告された社員が同代理店を相手取って起こしたもの。同社員は2011年7月5日、同僚である元妻を職場で罵ったうえ、つばを吐きつけた。この同僚はこの問題の原因をまったく作っていなかったうえ、興奮する原告を落ち着かせようと努力も行った。

これを受け、雇用主は同日、原告に即時解雇を通告。原告はこれを不当として提訴した。

1審のケルン労働裁判所は原告の訴えを棄却し、2審のケルン州労裁も1審判決を支持した。判決理由で裁判官は、原告の行為は同僚(元妻)に対する極めて悪質な侮辱であり、重大な義務違反だと指摘。この同僚が原告と同じ職場で働くことは不可能であり、社員が安心して働ける職場環境(Betriebsfrieden)を保つためには即時解雇以外に選択肢がないとの判断を示した。最高裁への上告は認めなかった。