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2014/6/25

経済産業情報

店頭レジでの現金引き出し、利用低調 不安や認知度の低さがネックに

この記事の要約

店頭レジ(POS)で銀行口座から現金が引き出せるサービスを提供するスーパーやガソリンスタンドなどが増えるなか、実際に同サービスを利用したことがあるドイツ人は2011年時点で8%に過ぎなかった。引き出し額も比較的小さく、P […]

店頭レジ(POS)で銀行口座から現金が引き出せるサービスを提供するスーパーやガソリンスタンドなどが増えるなか、実際に同サービスを利用したことがあるドイツ人は2011年時点で8%に過ぎなかった。引き出し額も比較的小さく、POSから引き出された額は引き出し額全体の1%にとどまっている。独連邦銀行(中銀)が14日発表した月報で明らかにした。

POSからの現金を引き出した消費者に理由(複数回答)を尋ねたところ、「現金自動支払機(ATM)で下ろすのを忘れた」が71.4%で最も多く、「早くて便利」(35.0%)、「手数料がかからない」(29.1%)、「近くに銀行やATMがない」(4.1%)がこれに続いた。

一方、POSから現金を引き出さない理由としては、「近くに銀行やATMがある」(34.0%)、「POSからの引き出しが本当に安全か不安」(23.3%)、「引き出せることを知らなかった」(22.6%)、「手続きが面倒」(16.9%)、「引き出しができる店で買い物していない」(13%)、「カード決済はなるべくしないようにしている」(10.9%)、「手元に現金を持つ必要がほとんどない」(10.1%)などが挙がった。

1回当たりの引き出し額はATMが215ユーロ、銀行窓口が436ユーロ、POSが105ユーロだった。

連銀の関係者は、POSからの引き出しを普及させるためには、◇サービスに対する認知度の引き上げ◇利用者の満足度を高める◇システムへの不安や不信感を払しょくし、社会的受容度を高める――などの取り組みが必要としている。