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2014/7/9

総合 - ドイツ経済ニュース

フラッキングは当面禁止へ、環境相と経済相が合意

この記事の要約

ドイツのバルバラ・ヘンドリックス連邦環境相とジグマール・ガブリエル連邦経済相は4日、フラッキング技術を用いた天然ガス、石油の商業採掘を少なくとも2021年まで禁止することで合意した。今後、関連省庁間の調整と州や業界団体の […]

ドイツのバルバラ・ヘンドリックス連邦環境相とジグマール・ガブリエル連邦経済相は4日、フラッキング技術を用いた天然ガス、石油の商業採掘を少なくとも2021年まで禁止することで合意した。今後、関連省庁間の調整と州や業界団体の意見聴取を経て、夏季休会後に閣議決定する予定だ。

フラッキングは頁岩(シェール)層に貯留する天然ガス(シェールガス)・石油(シェールオイル)の採掘で使われる手法。化学物質と砂を混ぜた水を高圧で地中に注入してシェール層に割れ目(フラクチャー)を作り、内部にあるガスなどを抽出する。

低コストで効率よくガスを採取できるメリットがあり、同技術の利用で先行する米国ではガス価格が低下し、産業競争力が今後高まることが予想されている。

ただ、地下水汚染などを引き起こすことが懸念されており、独政府は経済上のメリットよりも安全性を優先する方針を打ち出した。シェールガスと並ぶ非在来型の天然ガスであるタイトガスについてはこれまで同様、採掘を認める方針。タイトガスの採掘に対しても批判があるものの、ドイツではすでにニーダーザクセン州で採掘されている。