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2014/7/9

経済産業情報

07年以前のPCにも著作権料課金=最高裁、日米4社の敗訴確定

この記事の要約

2008年の著作権法(UrhG)改正以前に製造・販売されたパソコン(PC)とプリンターが著作権料の課金対象になるかどうかをめぐる係争で、通常裁判の最高裁である連邦司法裁判所(BGH)は3日、両機器とも課金対象になるとの判 […]

2008年の著作権法(UrhG)改正以前に製造・販売されたパソコン(PC)とプリンターが著作権料の課金対象になるかどうかをめぐる係争で、通常裁判の最高裁である連邦司法裁判所(BGH)は3日、両機器とも課金対象になるとの判決を下した。欧州司法裁判所(ECJ)が昨年6月に下した判決を踏まえた判断。PCとプリンターに課される著作権料の額については下級審が決定するとして、裁判を差し戻した。

裁判は出版物の著作権管理団体VGヴォルトが日米の電子機器メーカー4社(ヒューレット・パッカード、キヤノン、富士通、京セラ)を相手取って起こしたもの。PC1台につき30ユーロ、プリンター1台につき印作速度に応じて10~150ユーロの著作権料支払いを要求している。

ドイツではデジタル時代に対応して08年に著作権法が改正され、「複製目的で利用されるすべての機器・記録媒体」が著作権料の課金対象と定められた。具体的な額は個々の機器ごとにメーカー系の業界団体と著作権団体が交渉して決める。

一方、07年末まで有効だった旧著作権法では、課金対象になるかどうかが定かでない機器があり、メーカーと著作権団体が裁判で争っている。VGヴォルトは被告メーカー4社に対する裁判を11年前に起こし、01~07年に販売した機器について著作権料の支払いを要求してきた。

VGヴォルトが被告4社に要求する支払総額は約9億ユーロに上る。情報通信業界連盟(Bitkom)の著作権問題担当者であるマルクス・ショイフェレ氏は経済紙『ハンデルスブラット』に、今後の差し戻し審で裁判官が決定する額はVGヴォルトの要求額を大幅に下回るとの見方を示した。