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2014/7/9

経済産業情報

完全自律走行トラック、ダイムラーが初公開

この記事の要約

自動車大手の独ダイムラーは3日、コンピューター制御の完全自律走行トラック、「メルセデス・ベンツ・フューチャー・トラック2025」の試作車を世界初公開した。同社が開発した高度運転支援システム「ハイウェイ・パイロット」を搭載 […]

自動車大手の独ダイムラーは3日、コンピューター制御の完全自律走行トラック、「メルセデス・ベンツ・フューチャー・トラック2025」の試作車を世界初公開した。同社が開発した高度運転支援システム「ハイウェイ・パイロット」を搭載しており、最高時速は85キロメートル。早ければ2025年にも実用化にこぎつけたい考えだ。3日の公道走行運転では、高速道路A14号線(マグデブルク近郊)の5.6キロメートルの区間を無事に走り通した。

週刊誌『シュピーゲル(オンライ版)』によると、トラックの自律走行のメリットとして◇長時間運転を続けるドライバーの負担が軽減される◇センサーによって周囲の状況の情報を常に収集・判断しながら運転を制御するため、人間が運転するより安全性・燃料効率が高い◇伝票整理などの事務作業や休憩など、従来は車を止めて行っていた業務をドライバーが走行中にできるようになり、現在の規定よりも長時間の運転が可能◇トラックは乗用車に比べ速度が遅いうえ、街中に比べて周辺状況が把握しやすい国道・高速道などを走行するため、実用化に向けた技術的なハードルが乗用車より低い――点が挙げられる。

自動車メーカーは、自動駐車システム、自動追従運転システムなど、自動運転技術を利用した高度運転支援システムの開発でしのぎを削っている。ダイムラーが今回、完全自律走行のトラックを開発したことで開発競争に一段と弾みがつきそうだ。