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2014/7/9

経済産業情報

上期乗用車新車登録2.4%増に、社用車がけん引

この記事の要約

ドイツ連邦陸運局(KBA)が2日発表した2014年上半期(1~6月)の乗用車新車登録台数は153万8,268台となり、前年同期比で2.4%増加した。全体の6割強(62.8%)を占める社用車が4.3%増え、全体が押し上げら […]

ドイツ連邦陸運局(KBA)が2日発表した2014年上半期(1~6月)の乗用車新車登録台数は153万8,268台となり、前年同期比で2.4%増加した。全体の6割強(62.8%)を占める社用車が4.3%増え、全体が押し上げられた格好。自家用車の需要は鈍く、0.8%減少した。雇用・所得の安定や低金利など個人消費の前提条件は良好なものの、住宅取得を優先し自動車などの購入を後回しにする消費者が少なくないことが背景にある。

6月の同新車登録台数は前年同月比1.9%減の27万7,614台に落ち込んだ。比較対象の13年6月に比べ営業日数が1日少なかったことが響いた格好。独自動車工業会(VDA)によると、営業日数効果を除いたベースではやや増加したという。

上半期の新車登録が多く伸びた部門は大型車で、前年同期を32.3%上回った。SUVも26.1%増と好調。最小部門の超小型車は5.7%減と振るわなかった。

動力源別ではガソリン車とディーゼル車がそれぞれ全体の50.4%、48.0%と大部分を占めた。電気駆動車は同0.3%にとどまったものの、伸び率は75.3%で最も大きかった。走行1キロメートル当たりの二酸化炭素(CO2)排出量は平均134.5グラムで、2.2%減少した。

伸び率が最も大きいブランドはジープで、前年同期比33.3%増の4,041台に拡大した。これに日産(22.8%増の3万2,250台)、マツダ(22.3%増の2万8,542台)が続く。

ドイツ車はフォードが9.8%増の10万8,548台に拡大。ポルシェ(7.1%増の1万2,687台)、オペル(6.9%増の11万2,923台)、アウディ(4.3%増の13万3,751台)、BMW(0.7%増の11万9,619台)も前年同期を上回った。フォルクスワーゲン(0.5%減の32万3,474台)、メルセデス(3.6%減の13万6,615台)、ミニ(12.5%減の1万5,764台)、スマート(16.8%減の1万2,645台)は振るわなかった。

日産とマツダ以外の日本車ではスズキ(6.1%増の1万3,773台)が増加。残りはすべて減少した。各ブランドの実績はトヨタが2.8%減の3万5,218台、三菱が8.0%減の1万241台、ホンダが10.0%減の1万812台、レクサスが21.4%減の568台、スバルが31.4%減の3,249台だった。

日本車以外の主な輸入ブランドは、ジャガー(16.8%増の2,612台)、ランドローバー(16.2%増の8,032台)、シュコダ(14.0%増の8万8,198台)、セアト(10.3%増の4万5,630台)、ルノー(9.5%増の5万3,574台)、ダチア(9.5%増の2万5,706台)、ボルボ(6.3%増の1万5,562台)、シトロエン(3.9%増の2万7,416台)、プジョー(2.5%増の2万8,497台)が増加。フィアット(0.6%減の3万7,168台)、起亜(4.6%減の2万7,699台)、現代(5.3%減の4万8,383台)、シボレー(62.6%減の4,999台)は減少した。

一方、VDAが同日発表した国内乗用車生産台数は上半期が前年同期比6%増の290万9,600台、6月が前年同月比4%減の45万4,800台だった。輸出台数は上半期が7%増の224万300台、6月が4%減の34万3,000台。輸出が好調な仕向け先地域は欧州連合(EU)とアジアで、1~5月の伸び率はそれぞれ16%、15%に上った。米国向けは2%の小幅増にとどまった。