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2014/7/9

経済産業情報

公的健保、薬剤の自己負担対象を拡大

この記事の要約

公的健康保険は1日、計13の薬効分類を対象に保険給付額を引き下げた。ドイツ薬剤師会の調べによると、患者の自己負担額が法律で固定されている処方薬3万3,000種類のうち、健保が全額カバーする薬はこれまでの4,800種類から […]

公的健康保険は1日、計13の薬効分類を対象に保険給付額を引き下げた。ドイツ薬剤師会の調べによると、患者の自己負担額が法律で固定されている処方薬3万3,000種類のうち、健保が全額カバーする薬はこれまでの4,800種類から3,000種類に減少した。

公的健保の加入者は処方薬について薬価の1割(最低5ユーロ、最高10ユーロ)を自己負担することが社会法典(第6編61条)で義務づけられている。ただ、「医薬品供給と経済性改善に関する法律(AVWG)」の規定により、仕切値(製薬企業から医薬品卸企業への販売単価=税抜き=)が法定の自己負担額より30%以上低い薬剤は自己負担の対象外となる。また、公的健保が後発医薬品メーカーと結んだ割引契約内容によって患者自己負担の対象から外すことも可能だ(社会法典による)。

患者が自己負担する処方薬が増えたのは、製薬会社の多くが新たな給付額に合わせた仕切値引き下げを拒否したため。今回の改定に合わせて患者の一部自己負担になった薬剤のなかには胃腸薬「オメプラゾル」、降圧剤「メトプロロール」「カンデサルサン」など、処方頻度の高いものも含まれているという。