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2014/7/23

経済産業情報

世界初の「アクティブハウス」登場き、お隣さんの分も発電

この記事の要約

自然エネルギーを使い、自宅で消費する電力の2倍の電力を供給できる世界初のスマートエネルギーハウス(「アクティブハウス」)がこのほど、シュツットガルトで公開された。「B10」と名付けられた同実験住宅はシュツットガルト大学と […]

自然エネルギーを使い、自宅で消費する電力の2倍の電力を供給できる世界初のスマートエネルギーハウス(「アクティブハウス」)がこのほど、シュツットガルトで公開された。「B10」と名付けられた同実験住宅はシュツットガルト大学とプレハブ会社シュヴェーラーハウスが開発したもので、余剰電力で電気自動車2台を充電するほか、隣接するヴァイセンホーフ博物館の電力需要も賄う。

「B10」はコンテナ式のプレハブ住宅で、建物があるブルックマンヴェーク10番地(Bruckmannweg 10)にちなんでつけられた。最先端の省エネ・スマートホーム技術が投入されており、窓ガラスには複層真空ガラスを採用。テラスの床をたたみ上げ、家全体を「高効率省エネボックス」にすることも可能だ。また、学習機能とエネルギー需要予測機能を持つエネルギー管理システムが搭載されており、天気予報や住人の電力消費データから必要な電力を予測し、電力・温熱の配分を最適化できる。

再生可能エネルギーで自家消費の2倍の発電を行うのは、文化財に指定されておりコスト上の理由から省エネ改修ができないヴァイセンホーフ博物館の電力をまかなうため。研究チームによると、妹の分まで姉が作ってあげる「姉妹愛」の考え方がプロジェクトの根底にある。

研究チームは今後2年間、発電量や電力消費量、エネルギー貯蔵・配分などのデータを収集する計画だ。建物はプロジェクト後に解体されて、住宅エネルギー効率改善が急務の別の地域に移築される予定。すでにトルコ、アルゼンチン政府から引き合いがあるという。