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2014/8/6

経済産業情報

マイヤー・ヴェルフトが韓国STXから造船所買収

この記事の要約

独造船大手のマイヤー・ヴェルフトは4日、経営難の韓STXグループからフィンランド南部のトゥルクにある造船所(STXフィンランド)を買収することで合意したと発表した。買収により顧客ニーズに柔軟に対応できるようにするとともに […]

独造船大手のマイヤー・ヴェルフトは4日、経営難の韓STXグループからフィンランド南部のトゥルクにある造船所(STXフィンランド)を買収することで合意したと発表した。買収により顧客ニーズに柔軟に対応できるようにするとともに、クルーズ客船分野の研究・開発力を強化する狙い。取引は融資銀行団と独禁当局の承認を経て成立する。

STXフィンランドをフィンランド政府と共同で買収する。買収後の出資比率はマイヤー・ヴェルフトが70%、同政府が30%。取引金額は明らかにしていない。

STXフィンランドでは現在、独旅行会社TUIクルージズ向けのクルーズ船「マイン・シッフ4」を建造中で、TUIクルージズは同日、新たにクルーズ船2隻(「マイン・シッフ5」「マイン・シッフ6」)を同造船所に発注したことを明らかにした。これにより、STXフィンランドが今後も存続できるようにし、「マイン・シッフ」建造のノウハウが失われないようにする考えだ。STXフィンランドは従業員数が約1,300人。これまではマイン・シッフ4以外に受注がなく、事業の先行きが不透明だった。

TUIクルージズは独旅行大手TUIとクルーズ旅行大手の米ロイヤル・カリビアン・インターナショナルが2008年に立ち上げた折半出資の合弁会社。現在はクルーズ船3隻を持つ。今回の発注により、17年までにこれを6隻へと倍増させる計画だ。