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2014/8/6

経済産業情報

軍需大手ラインメタルの対ロ輸出、政府が承認撤回

この記事の要約

軍需大手の独ラインメタルがロシア軍に製品を納入する取引について、ドイツ政府が許可を取り消したことが4日、明らかになった。政府は3月、クリミア併合手続きを進めるロシアに圧力をかけるため、現状では同輸出を支持できないとの立場 […]

軍需大手の独ラインメタルがロシア軍に製品を納入する取引について、ドイツ政府が許可を取り消したことが4日、明らかになった。政府は3月、クリミア併合手続きを進めるロシアに圧力をかけるため、現状では同輸出を支持できないとの立場を示していたが、ウクライナ情勢が一段と緊迫したことを受けて承認を正式に撤回した。

ラインメタルは2011年、戦闘シミュレーション訓練施設をロシア軍から1億ユーロで受注した。同施設はニジニ・ノヴゴロドの西およそ70キロのムリノに設置するトレーニングセンター向けで、すでに建設作業が進められている。

欧州連合(EU)は7月29日の大使級会合で、ロシアとの武器取引禁止を取り決めた。同取り決めは新規の取引を対象としており、既存取引は制裁の対象外となっている。このため、ラインメタルはドイツ政府を相手取って損害賠償請求訴訟を起こすことも可能だが、同社の広報担当者はメディアの問い合わせに、提訴観測は全くの憶測に過ぎないと回答した。政府とは現在、この問題について協議しているという。