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2014/8/20

経済産業情報

農産物価格が下落見通し、ロシア制裁にからみ

この記事の要約

果物や野菜など農産物の価格が下落する見通しだ。今年は豊作で収穫量が多いうえ、欧州連合(EU)などの制裁への対抗策としてロシアが農産物の輸入を禁止したためだ。独農業従事者連盟(DBV)が19日、明らかにした。 ロシア政府は […]

果物や野菜など農産物の価格が下落する見通しだ。今年は豊作で収穫量が多いうえ、欧州連合(EU)などの制裁への対抗策としてロシアが農産物の輸入を禁止したためだ。独農業従事者連盟(DBV)が19日、明らかにした。

ロシア政府は7日、欧米の制裁への対抗措置としてEU、米国、オーストラリア、カナダ、ノルウェー産の青果や肉類、乳製品などの輸入を1年間禁輸すると発表していた。この結果、これまでロシアで販売されていたEU産などの果物、野菜などがドイツをはじめとする欧州各国に流れ込み、供給過剰に陥る懸念がある。

ドイツは今年、農産物が豊作で、リンゴの国内収穫量は昨年を30%ほど上回る100万トン超に上る。穀物は約5%増の5,000万トンに拡大する見込み。

ジャガイモのキロ当たりの価格は昨年の約1ユーロからすでに45~60セントまで下落している。今後、ポーランドなどの周辺諸国から流入すると、一段と低下する見通しだ。

ロシアの対抗措置を受け欧州委員会は18日、影響を受ける域内の農家に特別支援を実施する方針を打ち出した。トマト、ブドウなど13品目の生鮮野菜、果物の生産者を対象に、総額1億2,500万ユーロの補助金を支給する。