ドイツの今年上半期のロシア向け輸出高は前年同期比15.5%減の153億ユーロに後退した。連邦統計局のデータをもとにロイター通信が報じたもので、減少幅は1四半期の13%から拡大。ウクライナ情勢の悪化を背景にロシア向け輸出の減速は第2四半期に一段と強まった。
欧州連合(EU)は3月、ロシアによるクリミアの実効支配を受けて同国への制裁を開始。その後、制裁を強化している。
その影響を最も強く受けたドイツの輸出品目は食品・飼料で、上半期の対ロ輸出高は前年同期比31.9%減の4億2,000万ユーロに落ち込んだ。ロシアはEUが1日に発動した本格的な経済制裁への対抗策として7日、EU産の青果、肉類、乳製品などの輸入を1年間禁輸すると発表しており、ドイツからの食品輸出は一段と減少しそうだ。
自動車と機械の輸出もそれぞれ24.4%減の31億ユーロ、18.7%減の34億ユーロと大幅に後退した。ロシア政府はEUや米国からの自動車輸入を禁止する考えを示唆しており、独自動車産業が受ける影響も強まる可能性がある。
一方、上半期のロシアからの輸入高は前年同期比2.1%増の203億ユーロに拡大した。原油、天然ガス、石油製品が大半を占める。