エネルギー大手の独RWEが石油・天然ガス採掘子会社RWE Deaをロシア系投資会社レターワンに売却する計画を、ドイツ政府が承認した。対ロ制裁の関係で不承認になるとの観測もあったが、所轄官庁である連邦経済省のシュテファン・カッパーラー事務次官は22日、取引を承認してもドイツのエネルギー安全保障に支障は生じないと理由を説明した。同取引の成立にはRWE Deaが事業を行う他の国の承認も必要。RWEは売却手続きを年内に終了したい考えだ。
RWE Deaはドイツの北海海域や英国、デンマーク、ノルウェー、エジプトなど世界14カ国で採掘を行っている。売上高は18億ユーロと資源採掘会社としては小さいものの、収益力は高い。
RWEは債務の圧縮に向けて同子会社を売却する意向を昨年3月に表明した。巨額の売却益が見込めるほか、同子会社がエジプトで巨額投資を行うことを計画しているためだ。投資はリスクを伴い回収にも時間がかかるという事情がある。
レターワンはロシアの新興事業家であるミハイル・フリードマン氏の投資会社で、ルクセンブルクが所在地。RWE Deaを約51億ユーロで買収する。
RWEの債務は現在およそ310億ユーロ。売却益でこれを260億ユーロに圧縮する意向だ。