欧州経済の中心地ドイツに特化した
最新の経済・産業ニュース・企業情報をお届け!

2014/9/17

企業情報

ラインメタル―ティッセンクルップの軍用船部門など買収か―

この記事の要約

軍用品・自動車部品大手の独ラインメタル(デュッセルドルフ)がティッセンクルップの軍用船部門などを買収するとの観測が浮上している。消息筋の情報として経済紙『ハンデルスブラット』が12日付で報じた。両社はコメントを控えている […]

軍用品・自動車部品大手の独ラインメタル(デュッセルドルフ)がティッセンクルップの軍用船部門などを買収するとの観測が浮上している。消息筋の情報として経済紙『ハンデルスブラット』が12日付で報じた。両社はコメントを控えている。

ラインメタルは戦車の有力メーカーで、「レオパルト2」などを独同業のKMWと共同で手がけている。近年はドイツをはじめ先進国が軍需予算を削減し、事業環境が悪化。長期的な生き残りを果たすには事業分野の拡大が必要とみられている。

政府も独軍需業界の再編を望んでおり、ラインメタルはこれを追い風に潜水艦で有名なティッセンクルップの軍用船部門を買収したいもようだ。両社はすでに予備交渉を行ったという。

同紙によると、ラインメタルは陸上・海上兵器分野の有力企業になる考えで、航空機大手のエアバスグループが非中核事業と位置づける軍用品子会社アトラス・エレクトロニクとオプトロニクスの資本取得も視野に入れているもようだ。また、仏国営軍需会社ネクスター・システムズと合併する方針のKMWも取得したい考えという。

アトラス・エレクトロニクはエアバスとティッセンクルップが共同出資する潜水艦用電子機器の合弁会社で、ティッセンクルップの潜水艦向けにも製品を供給している。

買収資金は自動車部品部門を売却してねん出するという。