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2014/9/17

企業情報

エアバスグループ―軍需・宇宙部門で事業集約―

この記事の要約

欧州航空宇宙大手のエアバスグループ(蘭ライデン)は16日、軍需・宇宙部門エアバス・ディフェンス・アンド・スペースの再編計画を発表した。世界市場で主導的な立場を保てる分野に経営資源を集約、それ以外の事業は原則的に放出する考 […]

欧州航空宇宙大手のエアバスグループ(蘭ライデン)は16日、軍需・宇宙部門エアバス・ディフェンス・アンド・スペースの再編計画を発表した。世界市場で主導的な立場を保てる分野に経営資源を集約、それ以外の事業は原則的に放出する考えだ。

同社は世界市場で主導的な立場を保てる事業として航空宇宙、無人機を含む軍用機、誘導ミサイルの3分野を挙げた。これらの分野では適切な対象があれば買収を実施し、事業を拡大する考えだ。誘導ミサイル事業はエアバスが37.5%出資する英企業MBDAで手がけている。

エアバスが放出するのは官庁向けデジタル無線、商業用衛星通信事業、および子会社の米フェアチャイルド・コントロールズ、独ロストック・ジステーム・テヒニク(RST)、仏AvDef。このほか、独企業ESGとアトラス・エレクトロニクの持ち分も売却する。

アトラス・エレクトロニクはティッセンクルップの潜水艦子会社であるティッセンクルップ・マリン・システムズ(TKMS)との合弁会社で、TKMSが51%を保有している。ティッセンクルップのハインリヒ・ヒージンガー社長は同日、アトラス・エレクトロニクの今後についてエアバスと協議する考えを表明した。エアバスの持ち分49%を買い取るかどうかは明らかにしていない。メディア報道によると、同持ち分49%に対しては戦車メーカーの独ラインメタルが関心を持っているという。

セキュリティ・電子機器事業は今回の決定により中核事業から外れたものの、今後の取り扱いは確定していない。同事業に属する軍需・セキュリティ機器会社のオプトロニクスに対してもラインメタルは関心を持っているもようだ。