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2014/9/24

企業情報

メルク―バイオシミラーの開発費拡大―

この記事の要約

製薬大手の独メルク(ダルムシュタット)は18日、バイオシミラー(バイオ医薬品の後発薬)の開発強化方針を明らかにした。現在フェーズ1段階(治験の第1段階)にある医薬品の開発状況に応じて、同分野の開発費を今年の1億ユーロから […]

製薬大手の独メルク(ダルムシュタット)は18日、バイオシミラー(バイオ医薬品の後発薬)の開発強化方針を明らかにした。現在フェーズ1段階(治験の第1段階)にある医薬品の開発状況に応じて、同分野の開発費を今年の1億ユーロから来年は1億3,000万~1億5,000万ユーロに拡大。また来年から再来年にかけて、2~5件の開発プロジェクトでフェーズ3(治験の最終段階)を開始する。

メルクはバイオシミラー市場の将来性が高いことを踏まえ、同事業を強化しており、2012年にはバイオシミラーの開発・生産・販売でインドの後発医薬品大手ドクター・レディーズと提携。今年2月にも、ブラジルの3社(バイオノビス、フィオクルズ、インスティツト・ビタル・ブラジル)と共同で現地生産することを取り決めた。メルクは同日、ドクター・レディーズ、バイオノビスとの間でバイオシミラーのライセンス契約を拡大したことを明らかにした。詳細は伏せている。

メルクはこのほか、がん治療薬の有力企業(社名は非公開)との間で現在、提携交渉を進めていることも明らかにした。「抗PD-L1抗体薬」の開発・販売で協力する方向。年末までに交渉をまとめ上げる考えだ。同社は新薬開発に相次いで失敗したことを受けて、開発を他社と共同で進める戦略を打ち出している。