自動車大手の独ダイムラー(シュツットガルト)がデリバリーバン「スプリンター」の米国生産を検討している。現在は独デュッセルドルフ工場で生産・輸出しているものの、コストがかさむため、北米市場向けを現地生産に切り替える方向だ。従業員代表との間で現在、協議を進めている。最終決定は下していない。『フランクフルター・アルゲマイネ』が広報担当者や従業員代表への取材をもとに報じた。
ダイムラーは昨年、北米市場でバンを計2万4,000台販売。そのうち15万台をデュッセルドルフ工場で生産した。米国では輸入関税が高いため、同国向け製品は一度、モジュールに分解してサウスカロライナ州のチャールストンにある工場で再び組み立てている。これが大きなコスト要因となっていることから、同社は現地生産の検討に入った。5~7年後に投入する次世代スプリンターが対象となる。
米国は現在、欧州連合(EU)との間で包括的貿易投資協定(TTIP)交渉を進めている。同協定が成立すれば米国の輸入関税がなくなるため、現地生産の必要性は低下する。