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2014/10/1

企業情報

クーカ―同業スイスログを買収へ―

この記事の要約

オートメーション機器大手の独クーカ(アウグスブルク)は9月25日、スイスの同業スイスログを買収することで合意したと発表した。自動車産業向け事業への依存度を引き下げる狙い。今後、株式公開買い付け(TOB)を実施し、傘下に収 […]

オートメーション機器大手の独クーカ(アウグスブルク)は9月25日、スイスの同業スイスログを買収することで合意したと発表した。自動車産業向け事業への依存度を引き下げる狙い。今後、株式公開買い付け(TOB)を実施し、傘下に収める意向だ。

スイスログを1株当たり1.35スイスフランで買収する。これは24日の終値を9%、過去60営業日の平均株価を15.4%上回る水準で、買収総額は最大2億2,000万ユーロに上る。全株式の3分の2以上の確保をTOBの成立条件としている。

スイスログは物流業界や病院向けのオートメーション機器を手がけている。直近の売上高は6億3,000万フラン強(5億2,200万ユーロ)。

クーカは売り上げに占める自動車産業向け事業の割合が70%に達している。現在は自動車メーカーなどが新興国を中心に工場を次々と新設しているため需要が旺盛だが、将来は落ち込むことが予想される。スイスログの買収により、売り上げに占める自動車産業向け事業の割合は50%に低下。売上高は18億ユーロから23億ユーロに拡大する。

今回の取引は両社の大株主である機械メーカーのグレンツバッハと、複合企業フリードヘルム・ローグループのオーナー兼会長であるフリードリヒ・ロー氏が共同で計画したものとみられる。グレンツバッハはクーカ株19.8%、スイスログ株25%強を保有、ロー氏もそれぞれ10.018%、15%強を持つ。ロー氏は8月下旬にクーカの大株主となったばかり。その時点では「戦略的な目的の遂行」が狙いだとの声明を出すにとどめていた。