鉄鋼プラントなど金属産業向けの設備を手がけるSMSグループ(デュッセルドルフ)が組織再編に踏み切ることが9月24日、明らかになった。需要減で業績が悪化していることに対応する狙い。事業効率を高めるとともに従業員数を減らし、コスト削減につなげる意向だ。
子会社SMSシーマグ、SMSメアなどを2017年までに合併させるほか、管理など各種の業務をメンヒェングラードバッハに集約。また、事業の統括拠点を工場所在地のメンヒェングラードバッハ、ヒルヒェンバッハ・イム・ジーガーラントの2カ所とする。これらの措置により、管理部門のコストを削減するとともに、研究開発・設計と生産現場の関係を緊密化する。
同社の従業員数は1万3,800人。組織再編に伴う人員削減の規模は決定していない。コスト削減の進捗状況が悪い場合は経営上の理由による整理解雇も辞さない構えだ。
同社は鉄鋼業界が世界的に過剰な生産能力を抱えている影響で業績が悪化しており、新規受注高は08年の50億ユーロ強から昨年は33億ユーロにまで落ち込んだ。今年はウクライナ紛争の影響でさらに低下する見通し。アジア企業の価格攻勢も追い打ちをかけている。
鉄鋼不況を受けて受注は近年、小規模なものや設備更新関連のものが増えている。