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2014/10/15

企業情報

イリアッド―TモバイルUS買収を断念―

この記事の要約

仏携帯電話サービス会社のイリアッド(パリ)は13日、ドイツテレコム傘下の米同業TモバイルUSの買収を断念したと発表した。新興企業のイリアッドは米4位の携帯電話サービス会社であるTモバイルUSの買収によって事業を一気に拡大 […]

仏携帯電話サービス会社のイリアッド(パリ)は13日、ドイツテレコム傘下の米同業TモバイルUSの買収を断念したと発表した。新興企業のイリアッドは米4位の携帯電話サービス会社であるTモバイルUSの買収によって事業を一気に拡大したい考えだったが、買収額をめぐって折り合いが付かなかった。

傘下のフリー・モバイルを通じて2012年に仏携帯電話サービス市場に参入したイリアッドは7月、TモバイルUSに150億ドルでの買収を提案した。株式56.6%を1株当たり33%で取得するという内容だった。

イリアッドはTモバイルUSの親会社であるドイツテレコムが買収価格を不満としたことから、投資ファンド2社と組んで、TモバイルUSの株式67%を取得するという新たな買収提案を行ったが、実質的な価格が前回と変わらず、ドイツテレコムが交渉に応じなかったことから、断念に追い込まれた。

ドイツテレコムはTモバイルUSの売却を模索しており、2011年に米AT&Tへの売却で合意した。しかし、米携帯電話サービス市場が4社から3社体制に縮小し、寡占が進むことを警戒する米当局の認可を取り付けることができなかった。今年に入ってソフトバンク傘下の米スプリントも買収に乗り出したが、認可問題が障害となって8月に買収を断念した経緯がある。